HAJIMARI Beppuでは、宿主人夫妻の友人で、別府・大分に在住またはゆかりの有るアーティストやクリエイター達が宿づくりに参加しました。絵画、文筆、彫刻、写真、デザインなどなど。宿主人夫妻とDABURA.mメンバー達による陶芸や建築空間も含め、館内では様々な技を活かした創作物に出会うことができます。それらとの出会いが、この場所を訪れて下さった皆さまにとって、創造力を刺激したり、別府や大分エリアの事を知る入り口になったりして、旅を豊かに彩る要素になれば幸いです。
アベタイスケ
代美術家
アミナカイヅル
イラストレーター
ウジデザイン
デザイナー
オレクトロニカ
美術ユニット
カイミノリ
文筆家
カツマサミツ
鉛筆画家
サカモトワカコ
陶芸家・HAJIMARI Beppu宿主人(妻)
ダブラエム
建築設計事務所 HAJIMARI Beppu宿主人(夫)
フジタヨウゾウ
写真家
温泉染研究所
料理家
アベタイスケ
美術家
展示エリア:ルーム3A, ルーム3C他
大分市在住。古着やハギレを使って小さな立体(ヌイグルミ)を制作し、そのプロセスも含めて作品とする観客参加型のインスタレーションを、日本各地で展開。横浜トリエンナーレをはじめ全国各地の主要な美術館やアートプロジェクトで活躍中。当宿では、客室にて大版の描き下ろし作品や立体作品を展示する。
「HAJIMARI Beppuという場所の空気をどう動かしていくかを考えながら制作しています。今回制作す るのは、絵画と布を素材としたオブジェ(ヌイグルミ)。見るだけではなく、身につけたり使ったりできるものも検討中です。ここに訪れる人に対してのみならず、働いているメンバーの皆さんが主体的に面白がりながら関わるきっかけになればと思い、古着を提供してもらいました。それらを素材にバッチなどを制作し、皆さんに身につけてもらおうと考えています。」
アミナカイヅル
イラストレーター
展示エリア:ルーム3A, ルーム4F
少女たちの夢やノスタルジーを感じさせる光景を、透明感のある色彩を混濁させながら伸びやかに描く。数多くの文芸書籍の装画、一保堂茶舗や三越伊勢丹等の広告ビジュアル、パッケージ、映画ポスターなど幅広く手がける。講談社出版文化賞さしえ賞受賞。現在は別府と都内を行き来して制作。
「HAJIMARI beppuでは私らしい作品世界で少女たちを描きます。深い緑の草花と横たわりまどろむ人物、タイトルは『はなとゆめ』。柔らかな心地よい風を感じる絵にしたいです。HAJIMARI beppuから始まる、豊かな旅の体験のお手伝いができますように。」
ウジデザイン
ロゴ、Webサイト、パンフレット
前田豊により設立されたデザイン事務所。グラフィックデザインを中心に、エディトリアル、V.I.、Web、サイン、空間などのデザインを横断的に行なっている。当館では、V.I.、Web等のアートディレクション・デザインを担当。現在別府では、公共的プロジェクトのデザインも進めている。
「視察のために別府に訪れる前は、「別府といえば温泉」という印象が強かったのですが、商店街などのまちを歩くうちに、別府は温泉だけではないのだなと感じました。昭和の名残ある下町風情、今ではなかなか目にすることの少ないレトロなデザインの看板などから着想を得たことが、今回のロゴデザインの起点となっています。」
オレクトロニカ
美術ユニット
展示エリア:ルーム4E, パブリックスペース
加藤亮と児玉順平による美術ユニット。2011年から「制作と生活」をテーマに大分県竹田市を拠点に活動を展開。現在は、豊後大野市朝地に、廃校した小学校体育館を活用したアトリエを構え、竹田市の城下町ではOlectronica gallery「不図(ふと)」を展開している。2022年大分アジア彫刻展で大賞を受賞。
「改修前、アパートだった3階、4階を見て回りました。窓が多く、光がよく入ってくる建物だなという印象を受けました。生活感や様々な痕跡が漂っている空間から、照明器具やブラインド、天井の一部などをサンプリングし、今回はそれらを素材にオブジェを制作します。「光」をコンセプトに、一日が始まる朝の光、室内を満たす昼の光、夜の暗い中に灯る光、と様々な光をイメージしながら作っています。」
カイミノリ
文筆家
レターセット、おみやげプロデュース、選曲、選書
旅、散歩、お菓子、手みやげ、クラシックホテルや建築などを主な題材に執筆。著書は40冊以上あり、『歩いて、食べる 東京のおいしい名建築さんぽ』が原案のドラマ「名建築で昼食を(東京編)」の監修も手がけた。2年に1度、網中いづる、坂内麻里子、坂本和歌子と別府でグループ展を開催している。
「さまざまな「たのしみ」を感じられる本やHAJIMARI Beppuで過ごすひとときに添える音楽を選びました。また、オリジナルのレターセットをプロデュース。客室には手紙道具をご用意し、温泉街の海辺の宿から、静かに手紙を綴るひとときをご提案します。別府みやげにぴったりな、愛らしい郷土玩具も準備中です。」
カツマサミツ
鉛筆画家
展示エリア:パブリックスペース
鉛筆素描でまちや人物を絵にする画家。BEPPU PROJECTによるアート版トキワ荘「清島アパート」に2009年度から2020年度までの12年間入居し、その後も別府に根を下ろした活動を行う。末広温泉組合長を務め、一時閉館した末広温泉の再会に尽力した。
「別府市朝見3丁目 八坂神社の狛犬を描いています。八坂神社は養老元年(717年)に疫病(天然痘)が流行したときに京都の祇園社を乙原に勧請したのが始まりで、建久3年(1192年)に現在の地に遷したもの。境内の狛犬は、野口にあった製作所 百面荘の主・石工の岩井大明氏、昭和5年の作。本人が「展覧会に出品せぬでも(中略)天地の大展覧会に出品して居るからそれが一番よい」というように、人物の石像、仙人、鬼面、がま蛙、唐子童子等、別府にたくさんあった作品のいまも見ることの出来るひとつです。」
サカモトワカコ
陶芸家
展示エリア:ルーム4D、各客室
杵築市と別府市のアトリエにて作陶をしている。全国各地で定期的に展覧会を開催。CLASKA Gallery & Shop “DO”では開業時からの取り扱い作家。星野リゾート『界 湯布院』ではうつわを納入し、杉乃井ホテル宙館ではウォールアートとタイル作品を常設展示している。当館内では、サテライトアトリエとショップ「うみとじかん」を運営し、自身のうつわと焼き菓子を製造販売。DABURA.mでは役員を務める。
「ウォールアートを2点制作しました。ひとつは、温泉の湧く別府には、様々な人を癒し集める静かなエネルギーが自然に湧き出ていると感じます。そのような感覚を投影していければ良いと思っています。もうひとつは、このビルを取得してまもない頃、早朝、屋上に登ってみることがあったのですが、海の遠く、水平線から美しい朝日が昇り、素敵な1日がはじまるという感覚に包まれました。その時に感じた色や光を焼き付けることができればと思っています。」
ダブラエム
建築設計事務所
建築家 光浦高史が代表を務める、当宿館内に拠点を置く建築設計事務所。当宿のプロデュースと建物の再生を行なった。光浦はHAJIMARI Beppuの宿主(夫)。2021年にホテル「GALLERIA MIDOBARU」にてグッドデザイン賞ベスト100の他、国内外の多数のアワードにて受賞・入選。
フジタヨウゾウ
写真家
展示エリア:ルーム3B、パブリックスペース
別府市在住。幼い頃より職人仕事に興味を持ち、1976年より大分を拠点に、全国の鏝絵、土壁、石灰窯、藁塚、石積み等の撮影と取材を続けている。
『近代建築史 ゲニウス・ロキ』、『世間』他、著書多数。
「子供の頃、ここの二つ隣にあった釣り道具屋で餌買って、ぜんご(小さいアジ)をそこの港(現在のゆめタウン)で釣るのが夏の楽しみでした。夕凪に、子供はみんな釣りに行っていましたね。ここは、僕にとっては魚釣りを覚えたまち。別府には、面白い歴史が顕微鏡のプレパラートのように積層しています。写真からそれを感じてもらえたらと思います。」
温泉染研究所
展示エリア:パブリックスペース他
日本一の源泉数を誇る別府に湧く多様な温泉を使った染色を日々実践。地熱で煮出した草木で糸や布を染め、掛け合わせる温泉を使い分ける事で多種多様な天然色を表現。
循環する水の様にその土地にとって自然で無理のない形を模索しつつ、温泉染の糸や布を使ったプロダクト製作やワークショップを行なっている。
「椅子の生地の張り替えに帆布を染色しました。染料には刈安(カリヤス)の茎葉と茜(アカネ)の根を使用。2つの染料で染めた生地をミョウバンで媒染したものが明るい色彩に。別府の温泉で媒染したものが暗い色彩へと色の変化をつけています。時代を越えて受け継がれた椅子に、過去に降った雨が起源の温泉で染めた布で新たに粧う。新たな門出に立ち会えて嬉しいです!」
料理家
料理監修
雑誌、書籍、テレビなどで旬の素材と家庭料理に寄り添ったレシピを紹介している。レシピ本の他、オンラインの料理教室も開催。古きよき伝統を守りながら、今の時代にあった料理が得意。